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「あの子、またいた。」──放課後の電車で見かける激カワメガネ美人JK。

放課後、いつものように最寄りの駅まで急ぎ足。制服のプリーツスカートがふわっと揺れて、私、思わずスマホのインカメでチェックしちゃう。

「よし、今日も髪型いい感じ。制服、やっぱ可愛いな~。」

うちの学校の制服って、都内でも結構評判なんだよね。紺のブレザーに白襟のシャツ、そしてピンクのチェックのリボン。ほんとに“映える”んだよ。だから、電車の窓に映る自分を見るの、ちょっとだけ楽しみ。

でも、今日はちょっと違う。
電車のホームで、私より目を引く存在がいた。

「あ、またいる…あの子。」

ロングの黒髪をサラッとおろして、知的そうなメガネ。そして、どこか静かで、でも目を離せない空気感。しかも制服、超似合ってる…ていうか、可愛すぎじゃない!?

女子にも人気って感じの子。SNSでも「〇〇線の激カワJK」とか言われてるの、もしかしてあの子じゃない?って、密かに思ってた。

電車が来て、私たちは同じ車両に乗る。
立ちながら、そっと彼女の方向を見ると、スマホで何か読んでるみたい。指が細くて綺麗で、リボンの位置も完璧すぎる。ほんと、絵に描いたような「可愛い」ってこういうこと言うんだと思った。

でも、ふと気づく。
周りの視線。男の人も、女子高生も、ちらちら彼女の方を見てる。
中にはスマホを出して、何か撮ろうとしてる人もいた。

「…え、それって、どうなの?」

確かに、あの子は可愛い。でも、その“可愛い”を、勝手に切り取って、勝手にアップするのって…ちょっと怖い。

顔にぼかしを入れたり、背景を曖昧にしたりしても、「価値」がないって思われるのが、今のSNSなのかな。

「なんの価値もないだろ」って、匿名の誰かがコメントして、どんどん数字だけが回っていく。

でも、私たちの制服って、可愛いだけじゃなくて、「日常」でもあるんだよ。友達と笑ったり、テストで落ち込んだり、恋バナしたり。そういう時間を着てるんだ。だから、勝手に“観賞用”にされるの、違う気がする。

電車の揺れと共に、彼女はイヤホンをして、窓の外をぼんやり見ていた。誰にも気づかれないふりで、自分の世界にいるみたいだった。

でもその姿が、また可愛いんだよね。
ほんと、ズルいくらいに。

次の駅で彼女が降りて、私は思わず小さくため息。
そしてまたスマホを見て、自分の髪を直す。

「私も、誰かにとっての“気になる子”だったりするのかな…?」
そんなことを思いながら、放課後の電車は今日も走る。